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西住ちゃん。映画化されるよ。OVAもできるよ。2013年05月01日 20:50

なんとまあ、ガルパンが劇場版も出来るしアンツィオ戦のOVAも出来るわで、評判良かったらイロイロ出来るんですなあ。

テレビCMなんかで観たら他の萌えアニメと比べて扱いが低かった様な印象であったが、やっぱり個性やろうなあ。
ビジュアルは戦車やし、キャラクターも普通の女子高生の制服なので色合いからしたらピンクや赤やら華やかな色彩からは程遠いし、テレビ番組でどうよ?「華が無い」と言う印象が放映前はあったかも知れない。

ガルパンのねこにゃー

しかし、凡百の萌えアニメは悪く言えば現実から乖離した映像であるし、話もワケ分からんし、オタク連中の楽屋落ちみたいな作品なので、ガルパンがむしろ新鮮に思えたのは当然と思われる。

最終回まで見終えて、改めて円盤3巻まで1話から見直すと、角谷杏会長さん。

喜ぶ角谷杏会長

この人、最初は高飛車でイヤなヤツやったのに、素性が分かって来ると、
「ああ、コイツ焦っててんなあ」
と分かるワケですわ。まだ高校3年なので西住みほに不器用にしか接する事が出来なかったのであろう。コレが世に言うツンデレと言うヤツか。改めて1話を見直すと、強引にみほを引き込むエピソードは、完全に焦っている事が分かる。
オトナであれば、みほに酒でも一杯おごって
「西住ちゃん、まあ、この件はよしなに」
などと言う懐柔をするワケであるが、これではイヤラシい話になるわな。アニメにならん。

1話の見所は華と沙織が生徒会とやり合うシーンであるが、このシーンは良いシーンである。「友情・努力・勝利」のジャンプ法則の「友情」を1話で描いている訳である。
しかし、これ、男キャラなら成立しない。もし、みほらあんこうチームの面々が男なら、何らかの理由でスランプで落ち込んで戦車道を拒否するみほに対し
「男らしくないぞ!」
と一喝してオシマイになってしまうワケである。スポ根では主役のスランプ話はツキモノであるけど、話の冒頭には持ってこないわな。
っと言うワケで、男に媚びる「萌えアニメ」では無く「女子のための女子アニメ」っと言っても過言では無い事も無い。

で、何かとみほの味方になったり有能な戦力である麻子を引き入れたりと、人事面で能力を発揮しているのは沙織である。決勝戦では大洗の各チームは作戦通りに闘っているが、通信士である沙織の能力が発揮されているはずである。結構活躍しておるのですわ。小説版では沙織視点のようであるが、そうしないと話が進まないでしょね。
しかし、あんこうチームで家族が登場してないのは沙織だけやな?なんでやろ?

んでも、まあ、アニメとして欠点が無いワケでも無い。
ちょい気になったのは、1話の冒頭。
1話は戦車戦のエピソードは無いハズなので、冒頭に聖グロ戦のサワリを持って来ている。そこから目覚めたみほ。
しかし、これでは何となく予知夢とか言うモノになってしまう。ワケわからん。
1話に戦車戦の映像を入れたいのなら、ここはみほがスランプになった原因である前の黒森峰対プラウダ戦の状況を入れた方が自然では無いか?演出としては松本零士大先生の戦場漫画シリーズと同じく、冒頭でガツンと戦闘シーンを持って来るっと。
しかし、黒森峰対プラウダ戦ではマジな戦車戦に近いビジュアルになるので、最初のツカミとしては外しているかも知れない。
そこで、ハデな塗装にしている聖グロ戦を持って来たかとは思うけど。

また、かなり気になったのは2話の蝶野亜美さん登場。
10式戦車で学園長の車(フェラーリF40らしい)を破壊しての登場は良いけど、ここまでしたら後もモット滅茶苦茶な事をしないとイカンでしょ。これは全く物足りない。
登場シーンだけハデなのに、後の活躍が尻すぼみになっている。
自動車破壊の後に、更にソレを上回る破壊活動をしないとギャグにならん。
滅茶苦茶に破壊した後に、「防衛予算で弁償」っと言う事でヤリスゴスくらいの事を描く必要がある。
また、ココまで滅茶苦茶しないと、学園長の自動車を破壊してもシレっとしている道徳観念が滅茶苦茶になる。

教官として10式戦車の能力をフルに発揮した滅茶苦茶ハデなデモンストレーションでもして、生徒たちに
「さあ!やってみろー!」
っと言うべきである。映像を観ると10式の機動性は滅茶苦茶スゴい。低スペックの第二次大戦車では10式の真似なんかできやしない。
しかし、みほはコレを手本にして聖グロ戦や決勝戦で見せたドリフトからの射撃ワザ(なんか必殺技っぽい名前が欲しい)を考えつくとか、そういう無茶な話があっても良い。

西住みほ殿:改訂版

まあ、戦車戦をそれらしく見せるために、あまり奇を衒った演出は避けたかったのかも知れないけれど、もうちょいハッタリの効いたド派手な演出があっても良かった。

蝶野亜美さん登場シーンは1例であって、全編にわたって、ギャグ描写はアッサリしている傾向にあると思う。
深刻になってしまう恐れのある戦車戦のリアリティはアッサリしていて良いが、ギャグはもっとコッテリした方が良かろうとも思う。

しかし、こういう演出をすると最近の突っ込みしかできない陰気オタク連中はイチャモンをつけるかもしれないけれど。
「昔のスポ根って『魔球』とかでてくるじゃないですかー(嘲笑)」
とか言うアホも多い。『魔球』をバカにしておきながら『魔法』少女を観るアホやからな。ホンモノのアホや。

しかし、ホントはオリジナルのトップ絵を描いている途中やったのに、角谷会長を先に描いてしまった……