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再考。ヤマト2199。沖田艦キリシマの航海と慣性制御について2013年07月11日 20:20

前の1/30のブログ記事でキリシマの冥王星・火星間の行程を書いてますが、
この時は2199年の各惑星の位置が分からなかったので、結構テキトーでした。

んで、2/13の記事で各惑星の位置が分かったので

2199年の惑星の位置関係とねこにゃー
それに基づいて沖田艦キリシマの行程を再考しました。冥王星から撤退する時は沖田艦長は負傷しており、他にも負傷兵は居たと思われます。慣性制御技術の無い地球の宇宙船では、きっつい加速は無理でしょう。

冥王星と火星の距離
約40,2AU:約60億キロメートル

3週間:24日間ピッタリで、1Gの加速度で加速、減速を実施し移動する場合。
加速と減速にそれぞれ
5日間と約4時間46分32秒
慣性飛行は
10日間と約14時間26分56秒。
を要します。

24日間ピッタリと言うわけでは無く、また冥王星火星間の距離は大雑把なので少なくとも分単位以下は誤差になるけど、まあ大体こんな感じですか。

キリシマの行程再考察
冥王星から5日以上は1Gで加速する必要がありますが、こんなノンビリした航海では慣性制御技術を要するガミラス艦の追撃に合いそうです。

が!
劇場版宇宙戦艦ヤマト2199第6章のパンフレットを読むと、科学考証・半田利弘氏(鹿児島大学理学部教授)の宇宙コラムに
「冥王星沖海戦でのユキカゼの運動は、こうした慣性制御装置の存在を思わせます。」
「キリシマの離着陸シーンは、こうした重力質量制御装置の存在を伺わせます。」
と記述されている!
なんで第6章のパンフレットにワザワザ第1話のシーンの記述をするのか???

テレビ第1話を見直すと、冒頭の古代守はプカプカと浮いているし、沖田十三の血も浮いている?
いやまあ確かにキリシマが地球に着艦する挙動は重力制御が無ければ出来ないが、艦内に慣性制御が働いている様には見えんぞ?
慣性制御だけ働かせて、艦内は無重量状態?どういう設定やねん。
更に劇場版の第1章パンフレットには、キリシマの艦内には重力制御は持たず、搭乗員は磁力靴で身体を固定すると書いているぞ?
どういう事やねん??
大きな宇宙船を重力制御できるのに、艦内には重力制御を働かせないとはコレイカに?

宇宙船の動きを考える時、宇宙なので大気圏内を飛ぶ飛行機や自動車の様にカーブを曲がる事は出来ない事は前に書きました

というわけで、宇宙船で慣性制御が欲しいなあっと想定できるのは、以下の様に動く時と、その合わせ技。慣性飛行時は別に不要。天体の重力に引っ張られているだけの時も不要。まあエルトリウムやガルパン学園艦並みの巨大宇宙船なら潮汐力も働くけど。ヤマトの大きさでは考慮しなくとも良い。
宇宙船で慣性制御が欲しいなあ

「揺れる時」はカナリ誇張して描いているけど、ヤマトやキリシマの様な大きな宇宙船の場合、ガミラスから攻撃を受けたら弦楽器の弦の様に揺れます。宇宙は真空なので揺れを抑えるモノが無く、振動は長時間続くはず。コレで中身に往復運動が発生するので、これを制御するのは難しい。
他のは直線的な加速に反するチカラを、どうにかして発生させれば良いが、振動に対する慣性制御は極めて難しいやろうなあ。
で、慣性って言っても、宇宙船の構造物が人などに「押す」チカラを加えるだけなのであります。宇宙船が揺れる場合は、壁にブツかって往復運動をするので、コレは抑える必要があります。
ヤマト艦内では、艦載機格納庫には慣性制御が働いていないと言う設定になってますが、あれは危険。艦載機や工具や人員が吹き飛ばされてしまいます。
コスモファルコンに搭載する爆弾がアッチコッチに飛び散ったらヤマトが破裂するよ。
この設定はミスやね。
で、台詞でも
「ここは慣性制御が働いてない」
とあるので、同じ様に人などがプカプカ浮いているキリシマやユキカゼの艦内には慣性制御が働いていないと考えられます。

揺れる動きはガミラスからの攻撃を受けた時のみならず、波動エンジンを吹かした時なども揺れます。

ヤマト2199など近年のアニメではメカはCGで描く場合が多いのですが、その動きが軽く観える原因の一つが、この「振動」が表現できてないからかも?手描きの場合は鉛筆のタッチでブレを表現できるけど、3DCGの場合はキッチリしすぎる。

ほんでから、この架空技術である慣性制御を考察しても良いけど、メンドクサイからまた今度。

しかし、同じく劇場版宇宙戦艦ヤマト2199第6章のパンフレット、科学考証・半田利弘氏(鹿児島大学理学部教授)の宇宙コラムに
「艦内重力を発生させると船の加速が悪くなるはずです。」
と書かれている。
しかし、実は巧く慣性制御を設定すると、むしろ加速性能や旋回性能が良くなるのだ!

そやけど、なんで第6章のパンフレットにワザワザ第1話のシーンの記述をするのか??
まさかスタッフが、このブログを観たワケではあるまいな?

コメント

_ SASA ― 2015年07月31日 21:54

慣性制御に関しては、最新の科学では「常に発生させるには膨大なエネルギーが必要」だと考えられています。
また、効果に関して言えば、デジカメの手ぶれ機能のように「効かせてない状態からが最も効果が高い」のです。

※デジカメの「常に手ぶれ軽減モード」は「快適」「電力消費大」&「限定的効果」となり、「撮影時のみモード」は「快適では無い」「電力消費小」&「最大効果」となります。
※動かしたくない場が中央にある程「これだけ外が動いても中央は動かさずに済む」と言う感じ
※動作的に言うと「常時手ぶれモードで左へのモーメントで画素が右に寄った状態の場合、更に左に手ぶれると画素はそれ以上右に動かせない為手ぶれてしまう」が「常に中央に維持し、瞬間だけ手ぶれ対応とすると、全方向に最大限の手ぶれ補正を得られる」という感じ

その為、波動エンジンを搭載しておらず出力の低い現行艦では「どうしても必要な時以外は制御ゼロ状態または中立」とし、衝撃発生時のみ「強力に中立を維持する(衝撃下でも無重量状態)」仕様である可能性があります。

大和は出力が大きいので「常に慣性制御をかけても余裕があり、衝撃下でも1Gを維持できる」のかも知れません。

_ RIBON-Y ― 2015年08月01日 22:10

SAGA様こんばんは。はじめまして。
>最新の科学では「常に発生させるには膨大なエネルギーが必要」
出典がわかりませんが多分そうでしょうね。SFに出てくる様な慣性制御はどうやって実現したら良いのかサッパリ不明なのですが、何十Gものパワーを感じ無くさせるには莫大なエネルギーは必要でしょうね。

ヤマト以前の戦艦では
「どうしても必要な時以外は制御ゼロ状態または中立」
は理にかなってると思います。
しかし、衝撃発生時に瞬時に制御するのは難しそ。
っと言うのも現在の大型艦船の場合、大波で船体が30cmもグニャリと曲がるそうで。
ガミラス攻撃時に壁や床が数十cmも振動したら人や物品が吹っ飛ぶでしょうね。
それを抑える為にも慣性制御が必要になるのですが、瞬時に発生させても一瞬は強烈な衝撃が発生するので固定されてない物品が飛び回ってしまうんですよ。
だからあらゆる物品はマジックテープや磁石でくっつけて固定していると言う事にしておく必要がありますね。

まあ後付けの設定としては必要な時だけ慣性制御を働かせると言うのは妥当だと思います。

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