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ヤマト2199。ヤマト計画「こそこそ作戦」「パラリラ作戦」2013年11月20日 21:35

前の記事『ヤマト2199対ガルパン。沖田十三対西住みほ殿。戦術対決』の次に陽電子砲について書こうと思ってましたが、その前に「パラリラ作戦」について、もうちょい詳しく書きます。

宇宙の暗さについて。
太陽の様な自ら輝く恒星から離れたらヤマトなどの宇宙船を照らす照明が無くなります。
ちなみに、
地球上での明るさ(等級)
太陽:-26.7
満月:-12.7
太陽は満月より約39万8107倍明るい。
と言う事は、
√39万8107天文単位≒631天文単位。(約0.1光年)離れたら太陽も満月なみの明るさしかないのです。
ちなみに冥王星は太陽から約39天文単位離れているので、地球の衛星軌道上より1521分の1も暗いのです。
これは先にも参照させていただいた「MASA Planetary Log」の記事
の中で「冥王星の地表の明るさは」に描かれています。
コチラでも改めて図にするとこんな感じです。
太陽系の近所の暗さ
一番近いケンタウルス座のアルファ星が約4.3光年彼方に3個ありますが、ケンタウルス座アルファ星Aは絶対等級4.38と太陽よりチョットだけ明るく、他2個は太陽より暗い。
おおいぬ座シリウスAも8.58光年と近く、絶対等級1.42と随分と明るい星です。
が、いずれも大マゼラン銀河と異なる方向にあります。
まあ太陽系から1光年や2光年も離れたら宇宙船を明るく照らす光源は無くなり、ヤマトは真っ暗に見えなくなります。闇夜のカラス状態。
おおいぬ座シリウスAは地球から観たら-1.47等星ですが、そこに2光年や4光年近寄っても満月並みの明るさには見えないんですよねえ。
またWikipediaを見ると太陽系から半径14光年周囲の恒星は色々ありますが、太陽より明るい恒星は少ないのですよねえ。この界隈をウロチョロしても、ホトンド真っ暗闇なんですよ。
太陽系から半径10光年以内の恒星位置を図にしました。(間違えてないかな?)升目の1辺の長さが1光年です。

ヤマト2199太陽系から半径10光年以内の恒星位置(修正)

ヤマト2199の第8話ではシリウス星系に立寄り、「VLBI望遠鏡」で地球を振り返って観測してますが、実は数光年も遠回りをしているわけです。

幼い頃、1974年に初代ヤマトを見た時、宇宙が明る過ぎるのでは無いか?太陽から離れても何故ヤマトなどの宇宙船が明るく描かれているのか?疑問に思っていたのですが、その問いかけに対し周囲の年長者は
「宇宙には明るい星がイッパイあるんや」
と誤摩化していました。
しかし、その明るい星の数天文単位もの近くに接近しないとヤマトは観えないのです。
もっとも、太陽よりも遥かに明るい恒星もあります。
ゴールである大マゼラン銀河には、R136a1と言う恒星があって太陽の約870万倍もの明るさがあるとの事。観測史上もっとも大きな質量があると考えられています。とは言え、これも輻射絶対等級は-11.9なので32.9光年も離れて観たら満月並みの明るさにしか過ぎません。(それでもかなり明るいな)
イスカンダルがR136a1よりも30光年以上離れていたら、イスカンダルの周囲数光年にも暗い空間が存在するはずです。
と言うか、生物の生存に適した空間は主となる恒星以外に明るい恒星が観えたら何かとマズいので、周囲には適度に暗い空間が広がっているはずです。

しかしヤマト2199のイスカンダルは地球から16万8千光年彼方とされたが、Wikipediaでは大マゼラン銀河は太陽系から約15万7千光年離れていて、その直径は直径1.5万光年とされてます。つまりイスカンダルは大マゼラン銀河のど真ん中にあるの?銀河のハビタブルゾーンを考えると、銀河中心部の星の密集空間は色々な天体現象の影響があるので生存に適さないよ。現に太陽系は銀河の密集空間には無い。
更に、天の川銀河と大マゼラン銀河の間には、ほとんど星など無いので、大部分は暗闇です。

テナ事が前提知識。
スターシャが地球側に
「波動砲無しでイスカンダルまで来い
と言うなら、ターシャはガミラスの情報を知りうる限り提供するべきなのです。
波動砲ナシでバラン星やガミラス星での戦闘が切り抜けられる筈が無い。
そうしてないのはターシャに政治家としての能力が全く無いと言う事です。
スターシャがユリーシャを使者として、ガミラスの拠点などの情報を提供していたら、地球側はガミラスの勢力範囲を避けて、迂回路を選べる訳です。
輝く恒星や散光星雲から数光年離れた空間を進めば、ヤマトを視認する事は困難になります。
もっとも劇中では、ガミラスはヤマトを捕捉してました。が、ビーメラ星などではヤマトは捕捉されてません。1974年版ではビーメラ星は重要な食料生産地域でありますが、接近したヤマトに気付いてません。2199ではビーメラ星どころか、放置された亜空間ゲートを利用されてしまうと言うザルぶりです。もっともドメルの逮捕後なのでガミラス側はヤマトを追跡してなかったのでしょうが、それにしてもザル過ぎます。
ガミラスの観測技術は地球よりも遥かに進んでいる様ですが、勢力範囲の外ならヤマト補足は困難でしょう。更に視認も出来ない暗い空間を航行されたら発見困難です。
ヤマトからも赤外線など熱を出さない様にし、ワープ以外はエンジンを極力使わない方が良いでしょう。
これぞ、西住みほ直伝「こそこそ作戦」です。

で、ワープの航路。
千光年先にワープする場合。目的地は千年前の状況しか観測できません。精密に観測して千年後の状況を予想する必要があります。(未来なので未知の観測技術があるのかも知れませんが)
天体観測には地球の公転を利用して天体の距離を三角測量で計る年周視差法があります。
ヤマトはワープが出来るので、地球公転を利用するよりもより大きい視差法が使えます。現在は150パーセク(約489光年)まで年周視差法で観測出来ているみたいですが、ヤマトでワープして1光年か10光年の視差で観測したら、もっと遠くの距離を三角測量で観測できます
ヤマトでは先に書いた「VLBI望遠鏡」なるモノがありますが、作中のソレはどんなモノかは不明です。またもや「MASA Planetary Log」の記事
長さ数百キロもの観測装置を考えてますが、ワープでの移動を利用したら、もっと遠くまで観測できます。
ヤマトの「こそこそ作戦」「パラリラ作戦」

つまり、千光年先の周囲数光年の空間の安全性を確認し、そこにワープ。その空間内で数光年ワープして次の空間を三角測量で観測する。
自然に「パラリラ作戦」になります。
ガミラスを欺く為に、あえてパラリラする範囲を大きくとるのがコツです。

帰りは航路の観測結果があるんで、さっさと帰る事が出来ます。

そうして、イスカンダル近くに来たら、ガミラスから見てイスカンダルの裏側からワープすれば良いのです。

ヤマトは補給が難しくなりますが、戦闘の損害も避けられるメリットがあります。イスカンダルには頭が上がらないので波動砲不所持には従う必要があります。
しかし、最初はスターシャの意向に従い波動砲を開発せずにイスカンダル往復を成功させて、地球を復興させた後はイスカンダルの意向に従う義理は薄れます。この後に波動砲を開発してガミラスに反撃したら良いのです。
どっちみち、地球人はガミラスに恨み満々なので大人しく引き下がる訳が無い。
スターシャは甘いのよ。

ホントはスターシャは強権を発動してデスラーを黙らせたらオシマイなのです。

ついでに言えば、ヤマト2199の筋書きでも森雪が拉致された後に国民の前に出された時に、
「ヤマトとの戦争は止めましょう!」
と強引に演説したらよかった。

追記:
超明るいR136a1と言う恒星はかじき座30星雲(通称タランチュラ星雲)の中心近くにある星だそうです。天文観測史上最大の質量があるとの事。
タランチュラ星雲はヤマト2199の「七色星団」の存在するトコロでした。
多分イスカンダルは地球から観てタランチュラ星雲の裏側のそのまた遠くにある様です。

11/21の追記:
MASA Planetary Log』様はよく参考にしてますので、ホームページのリンクを追加しました。
勉強になるのでオススメです。

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