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ヤマト2199対ガルパン。CG対決2013年01月26日 20:49

このブログを造った当初はヤマト2199の感想を書こうと思ってましたが、予想外のガルパン放映により、少々辛口になってしまう予感でシマウマ。

で、メカのCGなんですよ。
まあ、ヤマト2199のヤマト等の戦艦が3DCGで描かれるのは上映前から予想されてましたし、あの複雑な形状の戦艦を手描きで動かすのはシンドイのでCGで良かろうっと思ってました。

このブログでは、なるべく私自身が描いたイラストを掲載したいのですが、今回はやむを得ず公式サイトから映像をコピペします。
ヤマトや沖田艦キリシマ、ガミラス巡洋艦です。
宇宙戦艦ヤマト2199より
立体曲面が多用されており、陰影がグラデーションになりますが、これが動きで観るとチョイと違和感があるんですよねえ。まあ仕方が無いのですけど。
しかし、コスモゼロの場合

コスモゼロ
直線が多いデザインなので3DCGで動いても、さほど違和感は少なく、手描きのキャラクターと馴染んでいます。


CGで動かす登場メカはホトンド戦車。
四号戦車の場合は砲身以外はほとんど直線。面は平面。転輪も立体曲面ではありません。
四号戦車

立体曲面で構成されているのは、例えばサンダース大学付属高校のM4シャーマンなどですが、
M4シャーマン
角が丸いだけなんですよねえ。

ヤマト2199もガルパンも、メカが主役なのでCGは頑張っていますし、技術的には両者会い譲らず、っと言うトコロなんですけど、現在のトゥーンレンダリングに合うのは、ガルパンなんですよねえ。
ガルパンはメカのチョイスが巧い。っと言うトコロでしょう。

それから動き。
ヤマトは巨大な艦船が動きますが、チョイ軽い。
いや、未来技術なので巨大艦船が宇宙で戦闘機みたいに動き廻っても別にかまわないのです。船内には慣性制御もありますし、急旋回しても強烈なGの心配は無いのでしょう。(ホントは人間ペシャンコ)
でも、それを差し引いてもヤッパリ軽い。なんで軽く観えるのか?単に見慣れていないから?
稀に大災害などで、巨大な建造物などが崩壊したりする映像を観ると「ホンマかいな?」と言う動きを観ます。滅多に観れないから、なおさら慣れずに「ホンマかいな?」です。
たとえばニューヨークの世界貿易センタービルが悲惨なテロで崩壊した映像があります。航空機が突っ込んだ後に、ビルは斜めに傾斜せず、真直ぐに縮む様に崩れ落ちて行きました。
この倒壊シーンを特撮やアニメで描いた場合に説得力がでるでしょうか?大概のハリウッド映画では、ビル崩壊シーンは、ビルが斜めに傾斜し回転しながら倒壊していってますが、実のトコロ、巨大で重い支柱を斜めに回転させるにはコレマタ強大なチカラが必要になるので、斜めに転がる様には崩壊しにくいのですよねえ。

ヤマトなども同じ。これを高速で回頭させようっとしたら強大なパワーが必要となります。今回の2199では姿勢制御ロケットも描写されてますが、宇宙空間なので回頭を停止させるにも反対側に姿勢制御させる必要があります。宇宙で回頭させるには姿勢制御ロケット以外の効率の良い方法もあるのですけどね。
で、別に高速で回頭するのはヨシとしても、ヤマトは高速で動いている訳で、回頭しただけでは普通の海上船みたいに方向転換できるワケが無い。回頭した後は自動車のドリフト走行みたいに横滑りをしつつ、徐々に方向転換する事になります。しかも船首を向けた方向には進行しないので、また船首を反対方向に回頭させる必要があります。
ヤマト方向転換

大体この図の様な感じになります。
しかも、自動車や船舶がカーブを曲がる時は減速するのですが、この図の動きでは加速しているのです。進行方向に加速させたく無いなら、90度以上の回頭が必要です。
正確に描くなら、ヤマトの加速度や回頭する加速度などを設定し、かつ、敵との距離もキチンと設定する必要があります。
宇宙船の場合は最高速度なんか意味は無く、最高加速度を設定する必要がありますね。
推進力と質量から割り出せるけど。

90度の方向転換しようとしたら、まず、これまでの運動エネルギーを打ち消す必要があるので、180度回頭をして波動エンジンでブレーキかけて、その後に90度回頭し、波動エンジンを吹かして飛んでいく必要があります。コレはガミラス艦もコスモゼロも同じ。
後退の場合も似た様な感じ。
大体こんな感じ。
ヤマト90度方向転換
敵ガミラスが存在する設定なので、90度方向転換や後退も必要となる場合があります。

こんなメンドクサイ動きは如何に未来技術とはいえ時間がかかります。如何に未来技術とは言え、このメンドクサイ動きをする必要があります。
これを描写せんとイケマセン。
更に、ホントは近所に存在する天体の重力も考慮する必要があります。
また更にホントは回頭時も波動エンジンを吹かしているので、動きも、もうちょい違いますけどね。

その点、ガルパンの場合は戦車の動きを、昔の記録映画や現在の戦車の映像を研究して、その動きを再現したらよい。誇張はしてると思いますが、スタッフの努力と根性で巧く動いてます。
ガルパンの場合、背景動画のCGは残念ながらチト軽いのですが、戦車はOK。本格的に人気爆発したのは4話の聖グローリアーナ女学園戦からですが、戦車を走り回らせたからでしょう。3話までの校内練習では、西住みほ殿の4号戦車が吊り橋上で身動きできない状態だったので、CGの魅力が発揮出来なかったトコロがあります。

動きのタイミングも、重い戦車が強烈なパワーで動いていると言う感じにしてます。

ガルパンの場合は戦車のドリフト走行を描写してますが、ヤマト2199はヤマトのドリフト航行を描写してないので、ヤマトの負けとなります。
惜しいなあ。