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ヤマト2199対ガルパン。沖田十三対西住みほ殿。戦術対決2013年10月20日 13:17

「1974年版ではスターシャは波動砲については特に言及していない。
おそらく、設計図も渡していると思われる。」
と書いたが、原作者松本零士大先生の漫画版を読むと、沖田艦長の台詞で
「波動砲は恐ろしい武器だ…
 地球人の想像をこえたイスカンダルの武器だ」
とあり、その昔(つまり冷戦時代など)の核爆弾と比較し
「おろかな行為の二の舞だ」
と述べている。まあ、イスカンダルから波動砲の設計図も送られている訳だ。ちゃんと素材や取扱説明書も添付されていたに違いない。
2199とは全く異なる前提となる。

で、2199でスターシャを善人にしたいので、波動砲を地球オリジナル兵器にしたかったと言うアニメ制作者の意図も分かる。正義のヤマトに大量破壊兵器を搭載する後ろめたさも理解はできる
大抵の核兵器保有国は広大な国土面積を持つか、本土から遠く離れた(元)植民地を持ち、ソコで無責任に核実験を行った極悪非道な連中である比較的狭い自国内で実験した国もあるが、コレはコレで酷い。まあ、ドコで実験しても酷いか。

そーすると、スターシャは平和的に地球にコスモリバースを渡すには、ガミラスの情報も全て提供するべきである。
そうしないとガミラスとの戦闘は避けられない。
2199ではユリーシャは生きて来日しており、途中で意識不明の重体になるが、数ヶ月は日本に滞在していたわけなので、ガミラスの位置やらバラン星などの兵站拠点の位置、その他、「ゲシュタムの門」なるYAT安心!宇宙旅行の次元トンネルの存在も教えるべきである。これは真っ先にするべきである。この程度の事は子供のお使いでもできるだろ!
こうすれば、ガミラス軍を避ける航路を選択出来る訳だ。
こんなカンタンな事もしてないのに、後になって波動砲の事をギャーギャー喚くから、スターシャはアホにしか観えなくなる。
まあアニメ制作者のストーリー構成のミスであり、スターシャが悪い訳ではない。
思慮の足りない思いつきで、シナリオを書くな。

で、スターシャ姉妹が聡明な平和主義者であれば、前もってガミラスとの戦闘を極力避ける計画になる。
遠回り航路になるが、戦闘による人的損失や戦闘物資の補給の為の日数ロスが無くなるので、迂回路選択の方が良いかも知れない。なにせ佐渡先生が言うておった様に
「宇宙は広いのである」
とるべき作戦は、ガールズ&パンツァー決勝戦で西住みほ殿が決行した
「パラリラ作戦」
である。
軍神西住殿


地球・イスカンダル間は16万8000光年もあるが、随分と大雑把な値。
(実は松本零士漫画版では「宇宙的な距離の測定は年々かわってくる」「20万光年強と言われたりする」と言及している。14万8千光年とは言い切ってないのだ。)
片道150日でギリギリと考え、1日3回ワープするとなると、1回あたり373光年あまりワープする事になる。
片道100日で1日3回では、1回あたり560光年ワープする事になる。
1日2回か1回だけならもっと長距離ワープが必要で、1回千光年以上のワープ能力が必要となる。
でだ。
地球・イスカンダル間をバカ正直に最短ルートで飛ぶのでは無く、「パラリラ作戦」の如くジグザグに進めば良い。しかも宇宙空間なので立体的にジグザグ航行。最短ルートから1光年から10光年くらい外れても、ワープ能力に余力があれば大した事は無い。
ワープする空間であるが、作中ではワザワザ明るい恒星の近くに立ち寄っている。理由は幾つか考えられる。
惑星からの物資の補給(典型はビーメラ星。他にも小惑星から鉱物を補給してたであろう)。
他は明るいトコロを選んで危険を避ける。宇宙は暗いのだ。
宇宙は星明かりで明るくなるわけが無い。
またもや参照させていただく「MASA Planetary Log」の記事
では、冥王星が随分と暗い空間である事が指摘されている。
「絶対等級」で考えると太陽は10パーセク(約32.616光年)離れた場所から見ると4.8等星と言う随分と暗い星である。
数光年周囲に発光する恒星や星間物質が存在しない宇宙空間は「真っ暗」なのだ。星空は肉眼で明るく観え天の川もキレイに見えるはずだが、足元のヤマトは暗くて見えない。街灯が無い田舎の闇夜状態なのだ。
こんな空間では望遠鏡でも敵が確認できない。ヤマト設定のレーダーは使えるが、肉眼で敵が確認出来ないのは結構危険である。
また、敵が存在しなくとも、暗い宇宙空間に発光しない小惑星などの天体があれば危険なのである。
しかし、危険なのはガミラスも同じ。ヤマトは、あえて暗い空間を選択してレーダー観測を強化して「こそこそ作戦」を決行するべきである。
ヤマト設定のレーダーは数光秒先の物体もリアルタイムで捕捉しているので、「電波探知機」では無い。どんな技術やねん?

また、ガミラスの通信能力は地球のソレを遥かに凌駕している。地球も独力で「超空間通信」なる超光速通信技術を開発しているが、ヘリオポーズを越えれば使えない有様である(距離の問題では無いらしいが)。しかし、ガミラス側は冥王星からガミラス本星に直接通信しており、なおかつ、地球の通信もカンタンに傍受しており「ヤマト」の名前も知っている。
対して地球はガミラスの通信傍受には成功していない様子である。ガミラスは地球には未知の通信技術を用いている。
(漫画版では冥王星の反射衛星砲の信号を傍受しているが、会話通信は傍受してない)
スターシャ・ユリーシャ姉妹は、ガミラスの通信技術も地球に教えるべきである。
もっともガミラスの通信技術はイスカンダルよりも進んでいるみたいであるが、スターシャはガミラスのテレビ放送を見てたよ。

ちなみにヤマトは往路よりも復路の日数が短い。なぜか?
ワープは数百光年から数千光年の距離を点から点へ移動するが、目的地の状況は、数百年前の状況しか観測できないのだ。500光年ワープするなら500年前の状況しか分からない。目的地周囲を天体観測し、500年後の状況を予測した後にワープしなければならない。コレを毎回する必要がある。島大介や太田君ら航海班は休み無しで大変なのだ。で、往路でのデータを活用して帰れば良いので、復路の日数が短縮できるのだ。

でも、パラリラ作戦、こそこそ作戦でイスカンダルに近づいたとしても、ガミラスも隣国である。どーしよ?
ガミラスから見てイスカンダルの裏側から来れば良い

2199のイスカンダルは、ガミラスにとっての偉いさんなので、おいそれとヤマト攻撃はできない。

大マゼラン銀河の中と言っても恒星がウジャウジャと密集しているワケでも無いので、イスカンダルの裏側の暗い空間にワープし、そこからイスカンダルの近所にワープすれば良い。

イスカンダル近辺のヤマト迂回路

もうちょい宇宙の広さを利用するべきである。
宇宙の暗闇を利用するべきである。
沖田十三は21世紀の「ガールズ&パンツァー」を鑑賞し、西住みほ殿の戦術を習うべきである。

しかし、そうは言っても、アホになったデスラー率いるガミラスも凶暴である。戦闘は避けられないかも知れない。
その時の防御は?
つづく。