Conscience of MAGAZINE Weblog & HOMEPAGE Search

ヤマト2199対ヤマト1974。設定対決2013年01月30日 20:28

さて、前回はガルパンとヤマト2199のCG比較なんて書いてましたが、ヤマトの方向転換を描いてみてフト思った事。
ヤマト2199では人工重力や慣性制御の装置がある地球艦船はヤマトだけで、沖田艦キリシマやユキカゼ等の地球艦隊には慣性制御やら人工重力は働いていないのです。
ん?冥王星での戦闘では各艦はカナリの機動性を発揮していて旋回運動なんかしてましたよね?搭乗員の耐Gは大丈夫??
映像からキリシマなどの旋回運動を考察しても良いのですが、旋回したら旋回半径と速度を計れば、艦内にどれだけのGがかかるか計算はできますが、宇宙空間の話ですので判断がしづらいのですわ。今回は見送り。

そんでもって、代りに、沖田艦が冥王星から火星に向かう行程を考えてみます。
えーっと、冥王星の公転は
近日点距離:29.574 AU
遠日点距離:49.316 AU(AU:天文単位:149,597,870,700 m)
で、冥王星の近日点は、海王星の近日点距離29.811 AUよりも小さいのですわ。
火星は
近日点距離:1.381 AU
遠日点距離:1.666 AU
テナ訳で、極めて大雑把に考えたら、冥王星と火星の最短距離は
27.908AU=4174977375495.6m
光速(299792458 m/s)で移動しても約13926秒(3時間52分くらい)もかかる距離です。
ホントはもっと遠い。

ヤマト2199の漫画版によると、キリシマは冥王星から火星まで3週間で移動してます。
そうすると、キリシマは平均速度は約2,301,024m/s ですね。(計算間違えてないかなあ?)
光速の約0.77%の速度です。ホントはもっと速い速度を出す必要があります。
これまでの人類が作成した機械の最高速度はボイジャー1号の17,073m/sなので135倍も早い訳ですね。

で、この速度を出すためには加速をしなければなりません。
冥王星で戦闘をしている訳ですから、冥王星の衛星軌道を廻っているのか?または冥王星に向かっているのか?は分かりません。
が冥王星に対する相対速度は0と考えて、そこから光速の約0.77%まで加速して火星に向かわなければ3週間で到達できません。

で、これが結構大変なようなんですよ。
表に纏めてみました。
沖田艦キリシマの加速度1

最短距離を移動するのに光速の約0.77%まで加速しようとしたら、なんと、10Gの加速でも6時間31分もかかってしまうのですよ!慣性制御が無いので人間の限界ギリギリ越えてますが、これでもダメなんですわ。
ジェット戦闘機なみの7Gでは9時間以上も加速しなければなりません。F1自動車並みの4Gでは16時間以上。コレでは人間が耐えられません。
しかし、2Gや3Gでは21時間以上、丸1日を要します。コレでもシンドイ。沖田艦長は耐えられない。
普通に考えたら1Gで2日と17時間かけて加速ですが、これでは日数がかかりすぎて火星まで3週間でたどりつけません。
現実的に沖田艦長が耐えられる様に4日以上1Gで加速して慣性飛行し、4日以上減速して火星に到着。と言う行程になりそうです。
1Gよりチョイ速い加速でも似た様な行程なので、身体の負担を考えたら1Gの方が良い。
(なお、これだけの速度が出せるので、軌道計算などはさほど考慮せずとも良いでしょう。衛星速度とか惑星の公転速度よりも遥かに速いので。)

沖田艦キリシマの加速度2

しかし、4日も1Gでしか加速しなかったら、これでは慣性制御技術を要するガミラス艦の追撃にあって、生還はできそうに無いですよ。
その点、オリジナルの1974年版では沖田艦や駆逐艦ゆきかぜにも人工重力が働いているので、急加速が可能となり、3週間程度で冥王星から火星までガミラス艦を振り切って航行できても、さほど不自然は無いのです。

おそらくは2199版のスタッフはリアリティを考えて
「慣性制御なんて波動エンジンなどの異星人技術が無ければ無理だなあ」
っと考えたのでしょうが、慣性制御すら無い技術力でガミラス艦と戦争できるワケが無いのです。

ヤマト2199の慣性制御が無いと言う設定に従うなら、沖田艦長らは耐Gスーツを着用し、ジェット戦闘機の様なシートに固定され、短時間だけ高速の加速度に耐えてガミラス艦を振り切り、その後に1Gの加速度で火星に向かう。と言う映像にする必要があります。
それでも慣性制御技術のあるガミラス艦はその加速について行き、搭乗員は自由に活動できるので攻撃も自由自在。沖田艦は逃げ切れない……

ここは、オリジナルの1974年版の方がリアルなのです。

西暦2199年の惑星の位置は知りませんが、どーやらココのサイトで計算できるようです。

参考サイト:STUDIO KAMADA
2199年の1月は小惑星アポフィスが地球に接近しているらしいです。
冥王星は近日点には無く、結構遠い。
2199年の1月は火星は冥王星から観て、太陽の向こう側にあるみたいです。冥王星からは地球の方が近いようです。
火星が冥王星に近づくのは、2199年9月から2200年8月まで。一番近づくのは2200年3月頃みたいです。
1974年版では、第14話で西暦2200年になりますので、冥王星から観たら火星の距離が地球よりも近い時期に話が進行しているみたいです。偶然ですが、1974年版の方が惑星の位置関係が都合が良いのです。

さて、もっと奇妙なのがサーシャの宇宙船。
海王星軌道から火星まで約10分で突き進んでいますが……
先にも書いた様に海王星と火星まで、最短で考えても光速で3時間52分以上かかるのです。
サーシャの宇宙船シェヘラザードはワープもせずに光速の23倍以上のスピードで飛んでいる訳です!
イスカンダルの技術はスゴい!
ココで「そりゃ無理」と言うのは野暮。

サーシャ代理ねこにゃー
サーシャの代りに、似ているガルパンねこにゃーです。
しかしこりゃ、地球でも設計図だけで波動エンジンができますわ。


計算間違えてないかなあ?
もし間違いが在れば、訂正記事も書きますよ。