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ガルパン劇場版を観た:2withネタバレ2015年12月08日 21:38

前の続きです。ネタバレありありです。

ガルパン劇場版批判としてドラマの欠如/物足りなさ、と言うのがあるみたい。
コレはテレビ版を観てない人や、そもそもファンではない評論家気取りの意見のようである。

まあ、そう思っちゃったのならそうなのだろう。
よく観りゃちゃんとドラマはあるのだがドラマが感じられない大きな要因は時間配分と思われる。

観りゃ分かるが殆ど戦車戦の映画であり、起承転結を等分に描いている映画では無い水島努監督のTweetによるとAパートからJパートの10パート程あるとの事。冒頭の解説が含まれているかは不明。ちなみに宮崎駿の映画は4パートが多い(ハウルは5パートみたい)。テレビアニメはCM前後の2パート。タマにエンディング後のCパートがあったりする。パートを何で分けているかは知らんが状況やシーンで分けておるようだ。
ガルパン劇場版はJパートまであるが、筋書きは大雑把に言って

・冒頭のエキシビションマッチ(勝敗を競っているから練習試合に近い)
・試合後の交流
・再び理不尽で唐突な廃校
・疎開
・会長の交渉
・愛里寿との出会い
・西住姉妹再会
・大学選抜との試合直前ライバル校集結
・大学選抜との試合
・決着

と言う筋書き。ん?10個に分かれる。パート分けがこの通りかは知らんが、これらのエピソードの中でもエキシビションマッチ大学選抜との試合の時間配分が長いので「ドラマ性が無い」と言われるんとちゃうか?
大筋は無能文科省の陰謀による廃校の危機を回避する戦いであり、サイドストーリーに主人公みほと西住家との関係改善、ライバル島田愛里寿との因縁(大袈裟)がちゃんとあり、別に筋書きが弱い事は無い。
あんまり印象に残って無いのは大学選抜戦の最中に廃校云々のハナシが出てこないからであろう。これは戦闘のテンポが悪くなるから役人と戦車道理事長との会話だけで済ましているから
また、西住姉妹の回想シーンも当初は台詞があったらしいが、BGMオンリーにしたし、エンディングの会話も主題歌にかぶせて内容は不明になっている。これも映画全体のバランスを考えて、シーンが浮かない様にした配慮であろう。これらのシーンに台詞があったらクドいかも知れない。
島田愛里寿は活躍して印象に残るので、ゲストライバルの役割を果たしている。
テレビでは謎であったボコを通して、みほのキャラ描写。
付録OVAで武部沙織「ボコのどこがいいのか分からない」とか言ってたけど、私はこれは脚本の吉田玲子氏の本音と解釈している。(これで西住みほが答えて無いのが意味深)。
それでこの劇場版で登場させて暗喩や伏線としていると考えられる。

娯楽アクション映画としてバランスを考えた構成になっていると思われる。

またサブキャラが多い上に新キャラも多数登場しているので、彼女らに見せ場を造っておる。
2時間内に知波単と同じ日本戦車を操るバレー部とのカラミで成長(と言うのか?)を表現するのは見事であるし、プラウダの内情が見える様なエピソードを盛り込んだり、継続の活躍で作品世界には隠れた強豪校が存在している事を見せたり、サンダースの男気(違う)を描写したり、ダージリン好感度を見せたり、タンケッテの機動性を描写したりと、色々とドラマを内包しておるのよ。
大洗では1年生の描写、落ちぶれた風紀委員と更生した麻子の逆転描写、ネトゲチームのイロモノ具合が目立っておる。

ガルパンのねこにゃー
あんまり歴女自動車部は目立って無かったか?
これらは映画2時間では無くテレビシリーズ12話くらいで描写した方が良いかもしれないが。
映画は当初2時間越えてて、色々と詰めたとか。
しかし、あんまりファンでは無い人々からしたらハナシが散漫になって「ドラマが弱い」なんてイチャモンを言われているのかも知れない。

エピソード盛り沢山と観るか?
ハナシが散漫と観るか?
の違いである。

肝心の戦車戦
戦略面について。
島田流は格上の社会人チームを圧倒したとあるが、映画の中でも最後に愛里寿のセンチュリオン黒い三連星、では無くバミューダアタックが大量撃破しておりマジで強い。だがしかし、相手に先手をとらせて追いつめて行く戦略は格上の社会人チームには兎も角、今回の高校チームに有効だったのか?高校チームは格上との戦いで慎重になっておるので戦略ミスだったかも知れない。
もし、最初から愛里寿センチュリオンバミューダアタック三輛が先頭にたって進撃したら、高校チームは試合当初に大量に撃破されてしまい極めて不利になったと考えられる。多分高校チームは負ける。格下相手の戦い方は一挙に前進してくる正統派西住流の戦い方の方が向いているのでは無いか?
格上との対戦には西住みほの方が巧いと言う事になる。

戦術面について。
評論に「画面上下を使った演出が巧い」とあるみたいだが、これは戦車の装甲は上と下が弱い事を突いた演出である。
以前某所で描いたが、弱いチハ車ティーガーを撃破するには、上装甲か下装甲を狙う必要があるそうだ。
画像は検索した車両をキリパリしてます。

ティーガーとチハの比較

勝つには穴でも掘って下から撃つか?
チハがティーガーの下から撃破

高所を陣取って上から撃つか?
チハがティーガーの上から撃破

どっちみち陣地取りが肝要になります。
市街戦だと立体駐車場などが使えます。梅田の地下街やビル街での試合も観たいですが、よく考えてみりゃ地下街は天井低くて無理か

チハが立体駐車場の上からティーガーを撃破
スタッフはコレを某所で観たかどうかは知りませんが、一例としてT28との対戦でナオミとの連係プレーでダージリンが下から砲撃してました。
そういや203高地も出てたな。

30輛対30輛の殲滅戦なので、一個一個描き出せばキリが無い。

てなわけで、私はハナシの展開に不備は無いと思う。アイデアはテンコモリであるし。
注文をつけるとしたら、別の所にある。
つづく。

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